お時間がない方へ(1分で分かる本記事の要約)

1.色々な制度が打ち出されているので、困ったら金融機関や中小企業支援機関、我々中小企業診断士をはじめとした専門家にご相談ができます

2.資金繰りの心配をする前に、「今持っているお金」「近い将来入ってくるお金」「近い将来出ていくお金」に分けて書きだして、今の状況を把握しましょう

3.支出を抑える方法、現金流出を抑える方法を把握し、個別に交渉しましょう

いざというときにモノをいうのは、なんといっても現金です。

というと、「そんな事は分かっている。その現金を確保する事が難しいから相談をしているのではないか」といった声が聞こえてきそうです。

また、「一般論が知りたいわけではなく、自社にとって最適な答えが知りたいの」という声も予想されます。

本稿では、まず資金の調達方法について全体像を見ていきます。その後、そもそもいくら資金が必要なのか、改善策についての考え方を見ていきます。

現状把握からスタートして、対策を考えていくというのが王道の流れなのですが緊急事態において、様々な団体が事業者支援のための施策を打ち出している事をまずは知っていただければと存じます。

資金の調達方法を考える

資金を調達する方法は、調達先を考えると究極的には二つの方法しかありません。

もちろん、各社の状況に応じて取れる対応は様々であると考えられますが、他人から調達するか、自分で生み出すかの二択になります。

まずは、資金調達の方法について確認して行きます。

・他人から調達する
資金繰りというと、この選択肢が一番に思い浮かぶ方がほとんどだと思います。

金融機関から融資を受ける、補助金や助成金を公的機関から受ける、取引先に支払いを待ってもらう(このように書くとネガティブな響きがありますが、日常的な掛けで仕入れるといった取引も含まれます)などです。

まずは、この選択肢で活用できる施策情報を確認して行く事が重要です。より詳しい説明は、リンクページに譲るとして、どのような制度があるかについて概観します。

○主な制度

1.各種信用保証制度
信用保証協会が、融資の際の保証人になってくれるという制度です。
相談先:千葉県信用保証協会・取引先金融機関

2.新型コロナウイルス対応マル経融資等
小規模事業者様の資金繰り支援のための制度です。
相談先:最寄りの商工会・商工会議所

3.各種無利子、無担保融資
借入金の利子について利子補給が受けられるという制度です。
相談先:取引先金融機関(中小企業庁)

4.持続化給付金(仮称)
法人や個人事業主の売上減少
相談先:(中小企業庁)

5.雇用関係の助成金
相談先:千葉労働局、ハローワーク

6.小規模事業者持続化補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金
販路の開拓や生産性を向上させるための設備やノウハウの導入について補助を受けることができる制度です。
相談先:最寄りの商工会・商工会議所、団体中央会

7.納税の猶予制度
相談先:最寄りの税務署

これらの制度は、危機対応といった観点で用意されていますので、強力な支援制度となっています。

しかし、周知の通り経済情勢は悪化の一途をたどっておりますので、制度を利用したい人がたくさんいらっしゃいます。

そのため「まだうちは大丈夫だから、落ち着いたら相談に行こう」といったふうに考えるのではなく、早め早めのご相談が大切です。

・自分で資金を生み出す
前述の他人から資金を調達するという方法は即効性があり、危機対応には役立ちますが、事業を継続するためには自社で資金を生み出し続けていく必要があります。

また、他人から資金を借り入れた場合、その返済するためのお金は自分で生み出していく必要があります。

その際に役立つのは、方向性を明確に指し示す羅針盤となる事業計画です。

ぜひ危機を乗り越えた際には我々中小企業診断士と一緒に事業を飛躍させるための次の打ち手を考えて行ければと存じます。

◆そもそもいくら資金が必要なのか

と、先に資金調達の方法についてふれました。資金調達は上で触れたように様々な方法があり、それを支援するための専門家もおります。

そのため、資金繰りに悩まれるのではなく、適切な専門家や支援機関にご相談いただくことが大切で、ご相談いただく事で解決のヒントを得る事ができます。

・お金は今いくらあって、いつまで大丈夫なのか?を見えるようにしましょう

資金繰りについて心配はつきませんが、まずは以下のステップで現状がどうなっているのかを明確にしていくことが大切です

1.今いくらお金があるのか
2.近い将来の入金は、「誰から」「いつ」「いくら」なのか
3.近い将来の支払いは、「誰へ」「いつ」「いくら」なのか

よく、金融機関などから『資金繰り表』を作って下さいと言われますが、資金繰り表のエッセンスは上記の三つです。

現金が足りていれば【絶対に】倒産しませんので、まずは今がどうなっているかをノートに書き出してみることをおすすめします。

3ヶ月程度先まで現状のままの状況をそのままノートに書き出してみれば、いつまで資金が続くのか、いつから状況が厳しくなるのかが見えるようになります。

まずは現状がどうなっているのか、近い将来どうなるのかについて見えるようにしないと、打ち手も打てませんので、是非お時間を作ってノートに書き出してみて下さい。

◆改善策を考える

状況を把握してから改善策を考えていきます。

施策一覧で上げたように様々な方法が用意されていますが、どれも少し時間がかかります。そのため、自体が切迫してから取り組むのではなく、できる事から取り組んでいくと良いでしょう。

但し、かなり踏み込んだ対応も挙げていますので、状況を把握しながら実施する事が重要です。(そのために現状把握が重要となってきます)

1.人件費
シフトの調整をお願いする、労働基準法に則って休業対応を行う等。各種助成金も準備されているので、活用を検討する。

2.仕入先・外注先
状況を個々に把握し、支払いサイトを伸ばすなどの交渉

3.借入返済
返済額の減額交渉など、金利の支払いは維持したい

4.家賃
賃貸借契約の確認、保証金の確認、交渉を実施

5.リース

6.税金・社保
今後の支払の猶予の検討を実施

7.その他、収入確保方法の検討

遊休資産の売却、お金をもらう方法の変更(飲食店でテイクアウトを実施、コロナ後の来店時に使える前払いのチケット販売など)

8.補助金・助成金・融資の検討
リンク<ここでA記事(一覧)へ再度リンクを張る>

◆補助金についての注意点
資金繰りが苦しくなりがちな事業者様から、「設備投資をすると補助金が出るんだって?」といったご相談を頂戴するケースが多くあります。

しかし、設備投資はあくまで投資あり、投資の回収までかなりの時間がかかるのが通例です。

また、補助金の場合は投資した額の『一部』が『後で』戻ってくるといった性格ですので、緊急時の資金繰り対応とは目的が違います。

そのため、補助金で資金繰りが楽になるといった発想で事業を実施すると、かえって状況を悪化させる危険性もありますので慎重にご検討ください。