新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威をふるっています。国の緊急事態宣言により、経営努力をしようにも、事業の継続自体を自粛せざるを得ない状況では、なすすべはありません。中小企業は当面の資金繰りを維持しなければ、事業の存続どころか、家族の生活も危うい状況に陥っているのです。本記事では、中小企業がまずはやるべき、最初の一歩について解説します。
支給を受けることができる給付金を確実にもらう
資金繰りに急を要し、しかも今後の見通しが立たないなか、中小企業が考えなければならないのが、手元資金を増やすことです。売上が、前年より50%以上低下することが見込まれる事業であれば、持続化給付金の申し込みは忘れずにおこなうようにしましょう。同様に、千葉県でも、最大で30万円を支給する支給制度が始まりました。今後も、市や町でなんらからの給付制度が開始される可能性もあります。事業を継続する意味では、金額は十分ではないかもしれません。しかし、給付金は、当面の生活費を工面するために極めて重要度が高いと考えてください。
支払いを猶予できるものは先延ばしにする
手元資金を増やすうえでは、支払いを猶予できるものはできる限り先延ばしにするようにしましょう。まず、検討するべきは、消費税や法人税などの税金や、社会保険料などです。新型コロナウイルス感染症の影響を受けている事業者などは、6か月から1年ほど、延滞金が免除されたうえで支払いが猶予される可能性があります。
参考:国税庁 新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な方へ
参考:厚生労働省 厚生年金保険料等の猶予制度について
同様に、固定費としては負担が大きい家賃についてもできる限り支払いを免除したり、減額したりすることを検討して下さい。千葉市では、テナントに対して配慮をしてもらうために、不動産を賃貸する事業者に対し支援協力金が出されることになりました。事業者は、遠慮をすることなく、オーナーに対して積極的に家賃交渉をするようしてください。
最寄りの金融機関に相談する
給付金と比較し、大きな資金を得ることができる融資は、中小企業の当面の資金繰りに目途をつける可能性を持ちます。なかには、今までに借入をせずに無借金を貫いてきた事業者や、すでに借入の枠を使い切り、追加融資が難しい事業者もあるでしょう。しかし、この新型コロナウイルスがもたらす経営環境の劇的な変化は、いままでとは全く異なります。金融機関への相談に抵抗がある方も、メインバンクや最寄りの金融機関に相談をするようにしてください。
実際に、新型コロナウイルス感染症特別貸付や、セーフティネット保証が制度化されています。金融庁から各金融機関に対し、既往債務の条件変更の迅速かつ柔軟な対応をするよう要請が出されているという実情もあります。金融機関の窓口が込み合っている実情を加味すると、危機的状況に陥る前に、早め早めの行動が求められます。
まとめ
中小企業がこの危機的な状況を脱し、資金繰りに目途をつけるのであれば、とにかく手元資金を増やさなければなりません。売上を増やすことができないのであれば、たとえ少額でも給付金をもらい、支払いをへらす必要があります。やまない雨は絶対にありません。前を向いて冷静に困難に立ち向かう姿勢こそが、中小企業に最も求められていることなのです。