当協会がご支援した事例を紹介します。
1973年に創業、旭市で水道工事業を営んでいる森管工株式会社様。
将来ビジョンを見据えた事業計画の策定に向け、千葉県信用保証協会様の専門家派遣事業で、当協会に所属する中小企業診断士の相馬さんが支援を行いました。
森管工株式会社の森社長に、今回の支援の過程と成果、感想をお伺いしました。
支援概要
会社名 | 森管工株式会社 |
事業地 | 千葉県旭市ニ2526 |
代表者 | 森貴之社長 |
支援期間 | 2023年5月~2024年1月 |
依頼者 | 千葉県信用保証協会 藤木勇斗さん |
支援者 | 千葉県中小企業診断士協会 相馬麻須美さん |
インタビュアー:千葉県中小企業診断士協会 広報部 喜多康人
旭市にある森管工株式会社
支援の背景・きっかけ
喜多:中小企業診断士に支援を受ける前に、どのような経営課題をお持ちでしたか?
森社長:
私は父からこの会社を受け継いだ2代目なのですが、常々、どうすれば事業を継続していけるかを考えていました。特に、経営から現場までほとんど全てに私が関与しており、私が居なくなったら会社が回らなくなるのが心配でした。私が居ない場面でもお客さんがいて事業を継続していける、森管工が未来永劫続いていける仕組み作りという課題を持っていました。
森管工株式会社2代目社長の森貴之社長
喜多:中小企業診断士に支援を受けようと思ったきっかけは何ですか?
森社長:
森社長:元々自分の中に「こんな会社にしていきたい」という想いはあったのですが、どの様に実現すればよいか分かりませんでした。また自分で事業計画を作ったことはあるのですが、それが正しいかどうかも分かりませんでした。そのタイミングで地元の銀行様、保証協会様の紹介で専門家派遣制度のことを知りました。
喜多:藤木さんは、当協会へ専門家派遣のご依頼するにあたり、こんな診断士に担当してほしいという考えはありますか?また今回の森管工様の支援については、どんな風に考えていましたか?
藤木さん:
専門家派遣のご依頼をする時は、まずは私たちが事業者様を訪問して課題などをヒアリングします。その上で業界の知見や事業者様の課題にあった診断士を選んでいただけるよう診断士協会さんにリクエストしています。一緒に課題解決に向けた道筋を照らしていただける方だとありがたいです。企業という列車の線路を敷くというイメージですね。
今回、森管工様については、社長の話を熱心に聞きとり、要望を汲み取ってくれる方に担当して欲しいと思っていました。
支援の内容・進め方
喜多:相馬さんは診断士として、今回どのような支援をどのようなスケジュールで行いましたか?
相馬さん:
今回は8回支援のプランだったのですが、最初に、社長さんのやりたいことを支援の最終ゴールと決めて、8回でそれぞれどのような事をするのか大雑把なスケジュールをお見せしました。最初にゴールをしっかりと共有することで、事業者様の満足につながると考えました。
その後、現状分析、課題抽出、課題解決方法の提案、全体のアクションプラン作成などを行いました。
喜多:森社長は、中小企業診断士にどのような支援やアドバイスを期待していましたか?その結果はいかがでしたか?
森社長:
事業計画の策定を専門家の立場で支援し、一緒に作っていただきたいという期待をしていました。結果は想像していた以上のものでした。「私自身がうまく表現できずに思い描いていたもの、こういうものが欲しかった、こういう風にしたかったというもの」を、本当に上手に引き出していただき、事業計画に反映していただけました。
喜多:相馬さんの支援やアドバイスによって良くなったことや変化はありますか?
森社長:
請求書の作成について大きな変化がありました。社員から上がってくる日報を元に請求書を作成するのですが、その工程の無駄を省き、システマチックにすることで、請求書作成の時間が画期的に短縮されました。特定の人物に依存しない業務の仕組みづくりが進展したと感じています。
またこれまでは、実現したいと思っていたものの、具体的な行動に移すことが難しかったので、定期的に相馬様や保証協会様に来ていただくことが楔となり、「計画を絶対に実行しよう」という気持ちが湧き、目標に対して継続的に取組めるようになりました。
打ち合わせ風景(森社長、相馬さん、藤木さん)
診断士への期待
喜多:森社長は今後、診断士としての相馬さんに、どのようなことを期待していますか?
森社長:
森管工の生涯のパートナーとなっていただきたいです。元々私は、コンサルタントとは責任が無い職種だと勝手に思っていたのですが、今回保証協会様に相馬様を紹介していただいて、そうでないことが分かりました。私の話をじっくり聞いて、考えていることを上手に引き出して、それを実現する方法をご指導いただき、その実行まで面倒を見てくれる、会社としての心強い友人(=伴走者)ができたと感じています。今後もこの関係を継続していただききたいと思っています。
※相馬さんは信用保証協会様からの専門家派遣期間の終了後、事業者様からの申し出があり、顧問として支援を継続しています。
喜多:信用保証協会様にとって、中小企業診断士とはどのような存在でしょうか?どのようなことを期待していますか?
藤木さん:
私たちは資金面では信用保証という形でサポートできますが、コンサルティングの専門家ではないので、事業面や運営面での具体的な支援は診断士さんに頼っています。この部分で事業者様と円滑なコミュニケーションを取りながら、課題解決に導くサポートをしていただけるととても嬉しいです。
喜多:相馬さんが事業者様に支援・アドバイスする際に、心がけていることはありますか?
相馬さん:
事業者様のしたい事、思っている事を漏らさずヒアリングできるように、私自身が話しやすい人でいようと心掛けています。また、支援するというよりは「自分がこの会社にいたらどうするだろうか」と考えることも意識しています。そうすることで、上辺だけの理解ではなく深く理解した上でアドバイスができると考えています。
喜多:相馬さんから見て森管工様はどのような事業者様ですか?
相馬さん:
こんなに頼りにしていただいて、とてもありがたく思っています。おかげさまで私自身のモチベーションも上がります。
森社長のやりたいことがたくさんあり、私からの提案への反応もたくさんいただけるので、またお会いしたくなる、応援したくなる事業者様です。今後もよろしくお願いします。
写真左から、千葉県信用保証協会 藤木勇斗さん、森管工株式会社 森貴之社長、
千葉県中小企業診断士協会 相馬麻須美さん
今回は、森管工株式会社様の支援実績をご紹介しました。
千葉県中小企業診断士協会では、「千葉県内の中小企業の行く先を照らし、伴走して、元気にする」をミッションとして掲げ、中小企業への経営支援を実施しています。
ぜひお気軽にご相談ください。
なお、千葉県信用保証協会様の専門家派遣事業をご希望される方は、千葉県信用保証協会様へお問い合わせください。
千葉県信用保証協会について
信用保証協会は、中小企業・小規模事業者の皆さまが金融機関から「事業資金」を調達する際に、保証人となって融資を受けやすくなるようサポートする公的機関です。
千葉県信用保証協会では、ご利用いただいている中小企業者の皆さまが抱える個々のお悩みの解決を支援するため、経営改善、事業承継、海外展開等、各種支援メニューを設けています。
中小企業診断士をはじめとする専門家の派遣や、各種保証制度による資金調達等、お客さまの経営課題に応じて最適な解決策を提案を行っています。
千葉県信用保証協会HP:https://www.chiba-cgc.or.jp/
千葉県中小企業診断士協会について
現在、千葉県中小企業診断士協会には500名を超える会員が在籍しており、ご依頼内容に応じて、その課題や業種に強みを持つ中小企業診断士を専門家として派遣しています。
中小企業診断士 相馬さんについて
相馬さんは、飲食店や住宅設備メーカーでの勤務経験と軽快なフットワーク、コミュニケーションを生かし、事業計画作成やマーケティングなどの経営支援、経営改善計画策定支援のほか、セミナー講師など幅広い業務で活躍中です。